「おいしいお菓子は心の栄養」と話すのは、蕗月堂三代目の佐藤傳彦さん。創業は昭和元年、初代である祖父が秋田蕗から一字を取り、店名としたのが由来だ。
職人の経験や勘を大切にしながら、菓子づくりの工程を数値化し厳しい品質管理を実践している。季節やその日の温度の違いにより食材の配合を調整することで、常に安定した商品提供につながっている。
看板商品の「しっとりまんじゅう」は、完成に約6年という時間と手間をかけた饅頭。独自の「柔蒸し製法」による皮のもっちり感が絶妙だ。
小学生が学校帰りに立ち寄って団子をほおばる姿に、地域住民の憩いの場としての役割をみた。心に刻まれる味がここにある。